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士業の事務所選びは、一般のオフィス選びと基準が違います
行政書士、税理士、社会保険労務士、弁護士。独立して事務所を構えるとき、最初に決めるのが場所です。
ただ、士業の場合は「安くて便利な場所」を選んでも意味がありません。会に登録できなければ、そこで開業できないからです。
バーチャルオフィスは使えません。コワーキングスペースやフリーデスクも使えません。依頼者の資料を扱う空間が共有では、守秘義務を果たせないためです。
選択肢は、壁とドアで区切られた個室に絞られます。ここではリージャス(Regus)の個室が、士業の事務所としてどう使えるかを整理します。
リージャスの個室オフィスとは
世界最大規模のオフィスサービスです。国内215拠点以上、世界120か国4,600拠点以上。東京だけで75拠点、大阪23拠点、名古屋16拠点あります。
個室(プライベートオフィス)は1名から利用でき、月36,800円〜が目安です。敷金・礼金はかかりません。
月額に含まれるもの
- オフィス家具(デスク・チェア・収納)
- 電話・ネット回線、Wi-Fi
- 水道光熱費
- 清掃
- 受付スタッフの常駐
- ビジネスラウンジ、コピー機・シュレッダー
内装工事も什器の購入も不要です。契約したらすぐ執務を始められます。
士業にとっての4つの利点
1. 完全個室で、依頼者の話を守れる
いちばん重要な点です。壁とドアで区切られた個室なので、依頼者との面談内容が外に漏れません。
相続、離婚、労務トラブル、税務調査。士業が扱う話は、隣の席に聞かれてよいものではありません。個室であることは、業務の前提条件です。
2. 一等地の住所が信用になる
丸の内、大手町、銀座、日本橋、六本木。こうした住所を名刺と登録に使えます。
リージャス自身も、独立開業時には金融機関や取引企業から信用調査を受けること、自宅やマンションの住所では士業として重要な「信用」と「安心」が損なわれると説明しています。
依頼者は、事務所の住所を見て判断します。ここは削るところではありません。
3. 受付スタッフが依頼者を迎える
受付にスタッフが常駐しています。かかってきた電話に事務所名で応対し、折り返しや転送にも対応します。
ひとりで開業すると、面談中に電話が鳴る、来客と電話が重なる、という状況が必ず起きます。受付があるだけで、依頼者を待たせずに済みます。
4. 会議室を1時間単位で使える
個室が手狭でも、会議室を借りて面談できます。1時間4,400円〜が目安です。
複数人での相談、資料を広げる打ち合わせ、相手方との交渉。個室に入りきらない場面で使えます。
気をつけたいこと
登録できるかは、物件と会の運用で決まる
ここが最も重要です。
リージャスの個室は壁とドアで区切られていますが、拠点によって部屋の構造は違います。そして事務所要件の運用は、都道府県の会ごとに差があります。
「リージャスなら登録できる」という一般論は成り立ちません。契約する前に、その物件の資料を持って所属予定の会に相談してください。
料金がサイトに公開されていない
公開されているのは「36,800円〜」という下限だけです。実際の金額は、拠点・部屋・空室状況・時期で変わります。
都心の人気拠点では、個室が月10万円を超えることもあります。候補の拠点ごとに見積もりを取らないと比べられません。
裏を返せば、同じグレードでも拠点を変えるだけで金額が変わります。複数の拠点で見積もりを取る価値があります。
会議室と複合機は別料金
月額に含まれるのは基本設備までです。会議室(1時間4,400円〜)とコピーは実費です。
面談の多い業務では、ここが積み上がります。月に何回、何時間使うかを先に見積もってください。
内装は変えられない
共用部を含め、レイアウトや内装を自分の仕様に変えることはできません。
審査と書類が必要
身分証明書のコピー、会社の謄本(法人の場合)、犯罪収益移転防止法にもとづく確認の署名が必要です。審査の結果によっては断られることもあります。
調べていて気づいたこと:公式サイトに「事務所登録できます」とは書いていません
リージャスの士業向けページを開いて、意外だったことがあります。
「士業の事務所登録に使えます」という記載が、どこにもありませんでした。
書かれているのは、一等地の住所が信用調査で有利に働くこと、受付スタッフが電話に対応すること、会議室が使えること。つまり「開業後の業務がやりやすくなる」という話です。
登録の可否については触れていません。これは不親切なのではなく、書けないからです。
事務所要件の運用は都道府県の会ごとに違います。運営会社が「登録できます」と保証すると、認められなかったときに責任が生じます。
同じことは、この記事にも当てはまります。登録の可否を判断できるのは、所属予定の会だけです。
だから順序はこうなります。物件を見つける → 資料をもらう → 会に相談する → 問題なければ契約する。契約してから会に聞くのは、順番が逆です。
内見のとき、必ず確認すること
会に相談するときに、この情報が必要になります。内見の場で聞いてください。
- 壁は天井まで届いているか(パーテーション区切りではないか)
- ドアに鍵がかかるか
- 会話が外に漏れないか(実際に話して確かめる)
- 書類を保管する場所があるか(施錠できる収納か)
- 依頼者と面談できるか(個室内か、会議室を使うか)
- 使用承諾書を出してもらえるか(登録申請で提出を求められます)
- 表札や看板を出せるか(会によって要件が分かれます)
- 契約期間は1年以上にできるか(短期契約は要件を満たしません)
- 平日夜や土日に入れるか(繁忙期の作業に関わります)
6番と7番は運営会社によって対応が分かれます。この2つは必ず、その場で確認してください。
他の選択肢との比較
| 項目 | リージャス個室 | 一般のレンタルオフィス | 賃貸オフィス |
|---|---|---|---|
| 月額 | 36,800円〜 | 30,000円〜 | 坪単価×面積 |
| 初期費用 | 敷金・礼金なし | 会社による | 敷金6〜12か月 |
| 内装工事 | 不要 | 不要 | 必要(数百万円) |
| 使えるまで | 審査後すぐ | 審査後すぐ | 3〜6か月 |
| 拠点数 | 国内215以上 | 会社による | — |
| 受付 | 常駐 | 会社による | 自前 |
| 住所の格 | 一等地を選べる | 会社による | 予算次第 |
開業したてで、内装に数百万円をかけられない。それでも依頼者に見せられる住所と、話を守れる個室が要る。この条件を同時に満たすのが個室レンタルオフィスです。
開業までのスケジュール
士業の登録には時間がかかります。逆算して動いてください。
- 拠点を探す・エリアを決める(1〜2週間)
- 内見する(上のチェックリストを確認)
- 会に相談する(物件の資料を持参)
- 見積もり・契約・審査(1〜2週間)
- 使用承諾書などの書類をそろえる
- 会に登録を申請する(1〜2か月)
- 登録完了・開業
物件探しから開業まで、3か月はみておいてください。3の「会に相談」を飛ばすと、6で差し戻されて最初からやり直しになります。
3つ確認してみてください
- 依頼者と面談する機会は多いですか?(多い → 個室と会議室の両方が要ります)
- 開業予定日は決まっていますか?(決まっている → 3か月前から動いてください)
- 所属予定の会に、事務所要件を確認しましたか?(まだ → 契約前に必ず相談してください)
こんな方に向いています
- これから独立し、事務所を構える士業の方
- 依頼者を招いて面談する機会がある方
- 自宅やマンションの住所を登録に使いたくない方
- 内装工事に費用をかけられない方
- 一等地の住所で信用を得たい方
- 将来、人を雇って広い部屋に移る可能性がある方
逆に、面談がほとんどオンラインで完結する方、月額を最小限にしたい方は、他の個室レンタルオフィスとも見積もりを比べてください。
まとめ
士業の事務所は、安さで選ぶと登録できません。バーチャルオフィスもコワーキングも、要件を満たさないからです。
個室レンタルオフィスは、内装工事なしで、依頼者に見せられる住所と、話を守れる空間を同時に確保できる選択肢です。リージャスは国内215拠点以上あるので、開業したいエリアで探せます。
ただし、登録できるかを決めるのは会です。物件の資料を持って相談し、問題がないことを確かめてから契約してください。この順番を守れば、やり直しは起きません。
まずは開業したいエリアで、空室と見積もりを確認するところから始めてください。
※本記事は一般的な情報の整理であり、個別の登録可否を保証するものではありません。事務所要件は各会の規定と運用によります。料金は拠点・時期により変わるため、最新の内容は問い合わせ時にご確認ください。

