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バーチャルオフィスの電話サービスとは
バーチャルオフィスの電話サービスとは、事業用の電話番号を貸与し、その番号にかかってきた電話をどう処理するかまでを含めて提供するオプションです。
住所と同じく、事業を運営するうえで必要になる「連絡先」を外部化する仕組みと考えると分かりやすいでしょう。
個人事業主やフリーランスの場合、携帯電話の番号をそのまま事業用として使うことは可能です。
しかし、
- 名刺やウェブサイト、特定商取引法に基づく表記に個人の携帯番号を掲載することへの抵抗
- 日中の電話に出られないことによる機会損失
- 事業とプライベートの区別
といった課題から、事業用の番号を別に持つ選択をする人は少なくありません。
この記事では、電話サービスの種類と違い、選び方の判断軸を整理します。
電話サービスの主な3タイプ
1. 電話番号の貸与のみ
市外局番付きの固定電話番号を借り、発着信は自分で行う形態です。
番号の貸与に加え、着信を受けるための設定(IP電話アプリなど)が提供されることもあります。
月額は数百円〜1,000円台が目安で、最も安価な構成です。
「対外的に固定電話番号を記載したいが、電話対応は自分でできる」という場合に適しています。
2. 電話転送
貸与された番号にかかってきた電話を、あらかじめ登録した携帯電話などへ自動的に転送する形態です。
相手は固定番号にかけているだけで、実際は自分の携帯で応答することになります。
月額は1,000円〜3,000円程度が中心ですが、注意したいのは転送にかかる通話料です。
多くの場合、転送先までの通話料が別途実費で発生します。
着信が多い事業では、この変動費が積み上がる可能性があります。
また、移動中や作業中に着信すると結局出られないという点は、携帯番号を使う場合と変わりません。
番号を分けることが主目的であれば十分機能します。
3. 電話代行(電話秘書・受付代行)
オペレーターが会社名を名乗って電話に応対し、用件を聞き取ったうえでメールやチャットツールで報告する形態です。
日中に電話へ出られない事業者にとって、取りこぼしを防ぐ手段になります。
月額は5,000円〜1万円以上と幅があり、対応時間帯、月間の受電件数の上限、超過時の従量料金によって価格が決まります。
単純な取り次ぎのみのプランと、簡単な質問への回答や予約受付まで対応するプランがあり、後者ほど高額になります。

3タイプの比較と向いているケース
整理すると、
- 番号貸与のみは「表示用の番号がほしい」場合
- 電話転送は「自分で対応するが番号は分けたい」場合
- 電話代行は「電話対応そのものを外部化したい」場合
に適しています。
コストは番号貸与 < 転送 < 代行の順に上がります。
判断の起点になるのは「かかってくる電話の量と、その電話の価値」です。
問い合わせから受注につながる業種であれば代行の投資対効果は高くなりますが、電話がほとんど鳴らない事業で代行を契約しても固定費が増えるだけです。
選ぶ際に確認したい項目
1. 市外局番の種類
東京であれば03、大阪であれば06といった市外局番が使えるかは、対外的な印象に関わります。
事業の所在地と市外局番が一致しているほうが自然です。
050から始まるIP電話番号を貸与する事業者もあり、その場合は月額が安くなる代わりに、固定電話としての印象は薄れます。
どちらを選ぶかは、記載先と相手の受け取り方から判断しましょう。

2. 転送通話料の扱い
転送プランでは通話料が別途かかることが一般的です。
1分あたりの単価、月間の上限、無料通話分の有無を確認しておかないと、想定外の請求につながります。
着信件数が多い事業では、月額が高くても通話料込みのプランのほうが安く収まることがあります。
3. 代行の対応時間と件数
電話代行を検討する場合、対応時間帯(平日9時〜18時が標準、土日祝や時間外はオプションなど)、月間の受電件数の上限、超過時の従量料金を確認します。
あわせて、報告方法(メール・チャット・専用アプリ)と報告のタイミングも、実務のスピードに影響します。
4. 応対品質と名乗り方
代行では、オペレーターが自社名を名乗ります。
名乗り文言をどこまで指定できるか、想定問答を登録できるか、担当オペレーターが固定されるかといった条件は、顧客体験に直結します。
可能であれば無料トライアルや録音サンプルで確認するとよいでしょう。
5. 番号の継続性
見落とされやすいのが、解約した場合に番号がどうなるかという点です。
貸与された番号は事業者に帰属するため、解約すれば使えなくなります。
名刺やウェブサイトに記載した番号を変更する手間が発生することを前提に、長期的に使える事業者を選ぶ視点が必要です。
6. FAX番号の有無
業種によってはFAXでのやり取りが残っています。
FAX番号の貸与、受信FAXのPDFメール転送に対応しているかは、必要であれば確認項目に加えましょう。
特定商取引法に基づく表記との関係
ネットショップやオンライン講座など通信販売に該当する事業では、特定商取引法に基づき販売事業者の氏名・住所・電話番号を表示する義務があります。
個人の携帯番号を掲載したくない場合、バーチャルオフィスの電話オプションが実務的な解決策になります。
ただし、表示する番号は購入者が実際に連絡を取れる状態である必要があります。
番号を借りただけで着信を受ける体制がない、という運用は避けるべきです。
転送または代行と組み合わせ、問い合わせに応答できる仕組みを整えておきましょう。
導入の進め方
電話サービスは月額が積み上がりやすいオプションです。
最初から高機能なプランを契約するのではなく、段階的に導入するのが合理的です。
まずは番号貸与または転送から始め、着信の実数を把握します。
問い合わせが増えて対応しきれなくなった段階で代行への切り替えを検討する、という流れであれば、費用対効果を確認しながら判断できます。
プラン変更の可否と手続きを契約前に確認しておくと、この移行がスムーズになります。
まとめ
バーチャルオフィスの電話サービスは、
- 番号貸与のみ
- 電話転送
- 電話代行
という3タイプに大別されます。
月額は番号貸与で数百円台から、転送で1,000〜3,000円程度、代行では5,000円以上と段階的に上がります。
選ぶ際は、
- 市外局番の種類
- 転送通話料の扱い
- 代行の対応時間と件数上限
- 応対品質
- 解約時の番号の扱い
を確認してください。
判断の起点は「電話が事業にとってどれだけ重要か」です。
電話がほとんど鳴らない事業であれば番号貸与で十分ですし、問い合わせが受注に直結する事業であれば代行を含めて検討する価値があります。
まずは最小構成から始め、実際の着信量を見ながら調整していく進め方をおすすめします。